2020/03/27
相続放棄をすれば遺品整理はどうなるのか
故人が借金を抱えていた場合、相続放棄を検討している方も少なくないと思います。
もし、相続放棄をした場合、遺品整理はどのように行えばいいのか分からない方も多いことでしょう。
そんな方にお伝えしたいのが、相続放棄前に遺品整理を行うと、様々なトラブルを引き起こすかもしれないということ。
なので、相続放棄をする方は遺品整理に対してより慎重にならなければいけません。
そこで今回は、相続放棄と遺品整理の関係性について詳しく紹介します。
当ページを読めば、相続放棄をする場合の遺品整理について理解が深まるはずです。
それでは、まず相続放棄の意味について紹介します。
相続放棄とは
遺品整理と相続放棄には深い関連性があります。
そのため、相続放棄する予定の方がむやみやたらに遺品整理を行ってしまうと、トラブルの火種になってしまうかもしれません。
そこで、まず把握しておきたいのが相続放棄の意味についてです。
相続放棄とは、故人が残した遺産や負債を引き継ぐ権利を捨てる事。
この相続放棄は、故人が亡くなってから3か月以内に手続きしなければいけません。
なので、故人が借金を抱えておりそれを引き継ぎたくない場合は、出来る限り早めに相続放棄の決断をするようにしてください。
手続き完了前は要注意
相続放棄は3か月以内に行わなければいけないと知ったところで、この期間内に遺品整理を行っても良いのか気になる方も居ると思います。
結論から言うと、手続きをする前に遺品整理を行った場合、「単純承認」とみなされ相続放棄が出来なくなります。
単純承認とは、故人から遺産や負債をそのまま引き継ぐことを認めたという意味です。
遺品整理は、この単純承認を行ったとみなされる行為になります。
そのため、相続放棄を考えている方は、手続きが完了するまで遺品整理は行わないようにしましょう。
どんなものならOK?
先ほど、手続きが完了するまでに遺品整理を行ってしまうと、相続放棄が出来なくなるとお伝えしました。
それでは、どんなものでも遺品整理することは許されないのでしょうか?
そんなことはなく、経済的な価値がないものであれば、相続放棄の手続きが完了する前に遺品整理しても大丈夫です。
例えば、手紙や写真などの品は、相続放棄完了前に遺品整理を行うことができます。
ただ、手紙や写真以外の遺品で価値が無いと判断したものの中に、実は価値があるものが含まれているかもしれません。
そうなると、単純承認とみなされ相続放棄ができなくなるので、手紙や写真以外のものに関しては手続き完了まで遺品整理は行わないほうが無難でしょう。
手続き完了後は遺品整理を行わなくていい?
相続放棄が完了しても、遺品整理を行う義務が無くなるわけではありません。
これは、「民法940条の管理義務」により定められているためです。
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
民法940条の管理義務について
要するに、次の相続人が管理を始めるまで、相続放棄をした方が遺品整理をはじめとした管理作業を行う必要があるという事です。
ただ、相続放棄後に遺品整理を行いたくない方も居ることでしょう。
そんな方は「相続財産管理人」を選任することで、相続放棄後の遺品整理を任せることが出来ます。
相続財産管理人とは、相続財産の管理を行う人の事です。
加えて、相続財産から必要な支払いをして、余った財産を国庫に返す役割も果たします。
この管理人を選任することで、相続放棄後に遺品整理の義務を負う必要がなくなるという訳です。
しかし、この管理人を選任するためには大きなコストが掛かってしまいます。
また、この管理人が遺品整理を行う際の費用や人件費も必要です。
その費用は「予納金」として支払う必要があり、大体20万円から100万円と言われています。
もし、故人がごみの多い住居に住んでいた場合、この目安以上の費用が必要なケースもあります。
そのため、相続放棄後に遺品整理を行いたくない方は、相続財産管理人を選任するために出来るだけ多くの費用を準備しておくようにしましょう。
選任方法について
相続財産管理人を選任することで、相続放棄後に遺品整理を行う必要がなくなると前述しました。
それでは、どうすれば相続財産管理人を選任できるのでしょうか?
まずこの管理人を選任するには、家庭裁判所に対して「相続財産管理人を選任する申し立て」が必要です。
被相続人(相続放棄をした方含む)の住所地を管轄している家庭裁判所で申し立てることにより、裁判所が選任してくれます。
また、この申し立ての際には、「相続財産管理人選任申立書」という書類を提出しなければいけません。
その際にかかる費用が以下の通りです。
- 申し立て費用: 800円
- 予納郵便切手: 1,000円
- 官報公告費用: 4,000円
先ほどもお話しした通り、上記費用以外にも予納金として20万円から100万円ほどの費用が必要になります。
そのため、家庭裁判所に申し立てに行く前にこれらの費用を準備するようにしてください。
どんなお悩みでも構いません。まずはお気軽にご相談ください
今回は、相続放棄を考えている方に向けて、遺品整理はどのように行っていけばいいのか紹介しました。
それにより、相続放棄をするなら遺品整理は行わないほうが良いと分かっていただけたと思います。
ただ、相続放棄が取り消されるような遺品か判断付かないものの中には、どうしても形見分けしたいものもあると思います。
そこでご利用を検討していただきたいのが、弊社エコ活サービスです。
弊社であれば、長年培った経験により、整理してしまうことで相続放棄が取り消される遺品か判断することが出来ます。
また、相続財産管理人の選任中に、どうしても遺品整理を行わなければいけないケースもあることでしょう。
そんな場合でもエコ活サービスにご依頼いただければ、必ずお客様のお力になれるはずです。
相続放棄により生じるトラブルにお困りの方は、是非ご相談いただけますと幸いです。